どうして外壁は痛んでしまうのか

調査方法

1. ❶切り欠き寸法が標準通りか確認する。（クラック発生位置の板幅を確認する）
2. ❷下地の不陸（凹凸）はないか確認する。

考えられる理由

1. ❶100mm以下に切り欠いて使用したため。
2. ❷下地に不陸があったため。

補修方法

1. ❶クラックの近辺にドリルで先孔をあけ、くぎで留め付けた後、クラック部をV字形に削り、パテを充てんし、タッチアップ塗装する。
2. ❷交換する場合は、小幅物に先孔をあけてから留め付ける。

調査方法

1. ❶クラック発生位置の板幅を確認する。
2. ❷下地の不陸（凹凸）等がないか確認する。
3. ❸下屋取り合い部などの切断小口に防水シーラーが塗布されているか確認する。

考えられる理由

1. ❶100mm以下の小幅物を使用したため。
2. ❷下地に不陸があったため。
3. ❸先孔をあけずに留め付けたため。
4. ❹下屋取り合い部などの切断小口に防水シーラーが塗布されていないため。

補修方法

1. ❶クラックの近辺にドリルで先孔をあけ、くぎで留め付けた後、クラック部をV字形に削り、パテを充てんし、タッチアップ塗装する。
2. ❷下屋取り合い部などの切断小口には、防水シーラーを必ず塗布する。

調査方法

1. ❶施工記録等により、シーリング材の種類、品名および施工年月等の確認をする。
2. ❷目地幅、目地深さの実測をする。
3. ❸シーリング材とバックアップ材の接着の有無を確認する。（三面接着はないか）

考えられる理由

1. ❶各サイディングメーカー純正品以外（あるいはNYG協会推奨品以外）のシーリング材を使用したため。
2. ❷目地幅不足により、シーリング材が適正な弾性を発揮できなかったため。
3. ❸目地深さ不足により、シーリング材が適正な弾性を発揮できなかったため。
4. ❹ボンドブレーカーなしのバックアップ材を使用し三面接着になり、シーリング材がサイディングの動きに追従できなかったため。（目地やせが進行し、凝集破壊に至るケースがある）

補修方法

1. ❶各サイディングメーカーの純正品、または、NYG協会推奨品のシーリング材を使用し、打ち替える。
2. ❷バックアップ材およびボンドブレーカーの面の高さは、サイディングの合じゃくり受け部より低くする。

調査方法

1. ❶施工記録等により、シーリング材の種類、品名および施工年月等の確認をする。
2. ❷目地幅、目地深さの実測をする。
3. ❸シーリング材とバックアップ材の接着の有無を確認する。（三面接着はないか）

考えられる理由

1. ❶各サイディングメーカー純正品以外（あるいはNYG協会推奨品以外）のシーリング材を使用したため。
2. ❷2成分系のシーリング材の混合不良のため。

補修方法

1. ❶各サイディングメーカーの純正品、または、NYG協会推奨品のシーリング材を使用し、打ち替える。
2. ❷バックアップ材およびボンドブレーカーの面の高さは、サイディングの合じゃくり受け部より低くする。

調査方法

1. ❶反り・変形の起きている箇所がサイディングの接合部か否かを確認する。
2. ❷反り・変形の起きている箇所にくぎが打たれているか否かを確認する。
   ・胴縁が柱・間柱等に固定されているか。
   ・胴縁が変形していないか。
   ・胴縁の厚さが違っていないか。

考えられる理由

1. ❶サイディング接合部の胴縁が変形したため。
2. ❷胴縁が柱・間柱等に固定されていないため。
3. ❸胴縁の厚さが違うため。
4. ❹胴縁が腐朽してくぎ保持力がなくなり、サイディングが反りあがったため。

補修方法

1. ❶胴縁が柱・間柱等に固定されていない場合は、くぎを増し打ちして　胴縁を下地に固定してサイディングを施工し直す。
2. ❷サイディング接合部の胴縁の変形による不具合や胴縁の厚さが違うため起きた不具合の場合、胴縁を取り替えてサイディングを施工し直す。

調査方法

1. ❶外壁通気構法がとられているか確認する。
2. ❷通気のための吸気口、排気口が確保されているか確認する。
3. ❸凍害発生部分のサイディングを取り外し、壁体内の結露や結露跡がないかを確認する。
4. ❹通気の経路がふさがれていないか確認する。
5. ❺断熱材のせり出しが大きく、通気を妨げていないかを確認する。

考えられる理由

1. ❶通気層がない、または、通気が不十分な場合、湿気が排出されず壁体内で結露する。結露水がサイディング裏面から吸水され、サイディングの水分が多くなり、冬季に凍結融解を繰り返したため。
2. ❷断熱材のせり出しが通気を妨げているため。

補修方法

1. ❶外壁通気構法がとられていない場合は、外壁通気構法に施工しなおす。
2. ❷通気の経路の妨げになるものは取り除く。
   ・断熱材がせり出している場合、せり出しの中央部断熱材とサイディング裏面に胴縁などをスペーサーとして縦方向に挿入し、通気を確保する。
   ・胴縁間や窓まわりなどすき間がない場合は、胴縁を切断する等して通気を確保する。
3. ❸吸気口がない場合は、土台水切とサイディング下端とのすき間をあけて吸気を確保する。
4. ❹排気口がない場合は、軒裏に排気口を設けるかまたは、小屋裏からの排気を確保する。

調査方法

1. ❶凍害発生箇所はどこか確認する。
2. ❷サッシ上枠の水切れや水はけが良いかを確認する。
3. ❸サッシレール部の水は、排水時に外壁面を伝わらないか確認する。
4. ❹凍害発生部のサイディングを取り外し、サッシ枠まわりの胴縁によって、通気の経路がふさがれていないか確認する。

考えられる理由

1. ❶サッシ上枠の水切れや水はけが悪く水分が常に滞留したため。
2. ❷サッシ上枠のシーリングがはく離し、滞留した水分をサイディング小口から吸水したため。
3. ❸サッシ枠まわりの横胴縁と縦胴縁が密着し、通気経路が遮断されたため。
4. ❹サッシから排水される水、およびサッシ枠を伝わる水が、サイディング表面を伝い、氷着し、凍結融解を繰り返したため。

補修方法

1. ❶凍害発生部分のサイディングを取り外す。
2. ❷サッシ枠フィン、防水紙、防水テープ、胴縁の状態を確認し、不具合がある場合は修正、補修する。
3. ❸胴縁がサッシ枠に突きつけで施工されていた場合は、サッシ枠まわりの胴縁と30mm程度のすき間をあけて胴縁を取り付ける。
（サッシ下の伝い水の場合）
4. ❹サッシ下の伝い水により発生した凍害が軽微な場合は、はく離した塗膜を除去し、含浸性のシーラー等で処理した上に補修塗装を施す。
5. ❺サッシ枠フィン、防水紙、防水テープ、胴縁の状態を確認し、不具合がある場合は修正、補修する。
6. ❻サッシの水切れ改善のため、伝い水防止水切を取り付ける。

調査方法

1. ❶筑後何年か確認する。
2. ❷建物全体に発生しているか、部分的に発生しているかを確認する。（通常、太陽光の当たりやすい南面の劣化が早い）
3. ❸サイディング表面塗装の褪色やチョーキングの状況を確認する。
4. ❹サイディング表面塗装の種類を確認する。
5. ❺塗膜の割れ、ふくれ、はがれ等がないか確認する。

考えられる理由

太陽光（熱と紫外線）や雨水などの影響により、サイディング表面塗膜の表層から徐々に経年劣化を起こすため。
※外壁面の東西南北や地域条件、環境条件、雨水のかかり方などで経年劣化の程度は異なるが、有機塗膜においては、この現象は避けることはできない。（雨水のはね返りや伝い水が常時起こる部位や表面の結露を繰り返す外壁面は経年劣化が早くなる）
※経年劣化した塗膜を水ぶきすると一時的に元の色が現れる。

補修方法

メンテナンススケジュールを参考に部分または全面の再塗装を行う。
※再塗装時の塗料の種類等により、次の塗装時期が大きく変わるので専門業者と相談することが必要である。またシーリング材打ち替えやその他のメンテナンスを同時に行う等、足場掛けを有効に活用することを検討する。

調査方法

1. ❶周辺に森・田畑・水路等があるか確認する。
2. ❷一部の面に発生していないか確認する。
3. ❸サイディング以外（サッシ、屋根材、ガレージ、燃料タンク、エアコン室外機等）に発生はないか確認する。

考えられる理由

藻・カビが発生しやすい水分と日差し、温度等の条件が整ったため。

補修方法

中性洗剤を水で薄めて、やわらかいブラシで水洗いする。